最近は酒粕の栄養価や旨味成分が改めて注目され、様々な料理に酒粕を使ってアレンジしたレシピが紹介されています。
酒粕はペプチドやアミノ酸といった旨味成分が豊富に含まれており、酒粕を使って調理した食材の旨味も引き出してくれるとても優秀な食材です。
酒粕に豊富に含まれる旨味成分ペプチドについて
酒粕にはうまみ成分としてペプチドという成分が豊富に含まれています。
ペプチドとはたんぱく質のことなのですが、たんぱく質が複数結合して形成された化合物のことであり、食材のコク、濃厚感を高めて旨味成分を引き出す働きをしてくれます。
ペプチドが生成する食材の旨味は、口に入れた瞬間に感じる旨味成分ではなく、口の中に入れてしばらくしてからの中味、後味の旨味を強く感じさせてくれる物質なのです。
またペプチドは肉や魚と言った食材の臭みを抑えてくれるため、肉や魚などの食材を粕漬けにしてしばらく漬け込んでから焼く昔ながらの方法は、旨味成分を増して食材の臭みも消してくれる、とても理にかなった調理方法だと言えます。
さらにペプチドは調理の段階で加えられた塩分の塩辛さを丸くしてくれる効果もあり、料理の味を程よいまろやかなものに調整してくれる役目もあります。
食材の旨味成分を引き出してくれる酒粕のパワー
酒粕に含まれているアミノ酸、ペプチドなどの酵素は、匂いが強い食材との相性が良く、臭みを消してくれるだけではなく、食材をやわらかくふっくら仕上げてくれるという能力もあるのです。
よく酒粕を使ったレシピで紹介されるものに、鶏肉や豚肉の酒粕漬があります。
肉類に酒粕と味噌や塩など調味料を混ぜたものに長時間漬け込み、火が通るまで焼いた料理で、お魚の西京漬けのお肉版と言った感じで簡単にでき、よく作られる料理です。
通常、鶏肉の酒粕漬けを作るときは比較的やわらかくてジューシーな鳥もも肉を使うことが多いのですが、酒粕漬けの場合は少し肉質が硬くてぱさぱさした鳥むね肉やささみを使っても上手に仕上げることができます。
焼くと硬くなってぱさぱさしてしまいそうな食材でも、酒粕に漬け込むことでふっくらやわらかく焼き上げることができ、酒粕の旨味成分でコクのあるまろやかな味になるのです。
旨味成分が強く栄養価も高い酒粕を気軽に摂取しましょう
酒粕は日本酒を作る工程で、醗酵した麹とお酒の素材を搾り取った時に残った固形物なので、お米と発酵食品両方の栄養を兼ね備えたパワーフードです。
日本酒の酒蔵にはお酒を造るタンクがたくさんありますが、その中には磨かれて雑味を取り除いたお米が麹菌と結びついて醗酵し、日本酒の元になるもろみとなって貯蔵、管理されています。
そのもろみが糖化と醗酵を繰り返しアルコール濃度を高め、絞られて液体を取り出されたものが日本酒の原酒になります。
その液を搾り取られて残った固形物が酒粕になり、酵母と麹菌が多く含まれた、旨味成分たっぷりの食材になるのです。
発酵食品としての酒粕は、旨味成分だけでなくその高い栄養素も注目されており、今では気軽に酒粕を摂取できるように様々なレシピが開発されています。
昔は酒粕を簡単に摂取するには甘酒にして飲むことが一般的でしたが、最近は牛乳代わりにリンゴなどのフルーツと豆乳、はちみつと一緒に酒粕をミキサーに投入し、できたものを電子レンジで温めて酒粕のホットスムージーにするなど、飲みやすい形で酒粕を摂取している人も増えてきています。
また、近年酒粕と同じように旨味成分が強い調味料として注目を浴びている塩麹も、米から作られる麹菌と塩を使って醗酵、熟成された食材なので、酒粕と成分や製法が似ています。
そのため、酒粕に塩と水を混ぜてペースト状にしておけば、塩麹とほぼ同じ旨味成分を持った調味料となりますので、塩麹と同じようにお漬物や炒め物などにも使用でき、万能調味料としても使える食材です。
最近はドレッシングに混ぜたり、クリームチーズに酒粕を混ぜてディップにしたりと、洋風な料理にも使われるようになった酒粕。
日本酒が日本以外の国でブームになっているように、世界中で酒粕の旨味成分や栄養価が注目されてきています。
まとめ 酒粕の旨味成分を上手く摂取しよう
女性にとって嬉しい栄養素が多く含まれている上に旨味成分が強い酒粕なので、今まで普通に焼いていた肉や魚に酒粕を追加してみたり、毎朝の食事で酒粕入りドリンクを試してみることをおすすめします。
酒粕の旨味成分は、酒粕自体の旨味だけでなく素材の旨味も引き出してくれるのです。
近年酒粕はその栄養価の高さと旨味成分の強さで様々な料理にアレンジされています。
スーパーで安く手に入る食材で、冷凍保存もききますので、粕漬けや甘酒だけではなく、常にストックしておいて様々な料理に活用しましょう。
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