酒粕をペースト状に伸ばしたいけれど、どうしたら良いか分からない場合も多いのではないでしょうか。
酒粕をペースト状にしようとしてもダマになりやすいので、困りものです。
しかし、酒粕の伸ばし方のポイントさえ押さえれば、簡単に伸ばせるようになります。
酒粕は種類によって伸ばし方が違う
そもそも、一口に酒粕といっても、それはその種類によって伸ばし方が異なります。
なぜかというと、その形状によって、固さも見た目も全く異なるからです。
したがって、購入したものによって、伸ばす方法も異なりますし、使わなければならない道具も異なります。
まず、酒粕には2つの種類があります。板粕と練り粕です。
板粕とは、清酒と分離するために圧搾されたときにできる酒粕のことです。
板状に固まるので、板粕と言われています。板というと、硬いイメージがありますが、手でちぎれるくらいの硬さです。
しかし、中にはかなり硬いものもあるので、小さくするときには、包丁で切る場合もあります。
それから練り粕とは、板粕や板粕ほどまで固まらなかった酒粕を、ペースト状になるまで練ったものです。
練り粕には、酒精が加えられていることもあります。つまり、練り粕は家庭でペースト状にしなくても、それが完成しているもののことを言います。
そのままだと希望の練り具合でない場合も多いですが、すでにペースト状になっているので、料理においては非常に扱いやすいです。
酒粕の伸ばし方
板粕と練り粕では、その硬さが全く異なるので、伸ばし方が異なります。
まず、板粕の場合、手でちぎって水に浸します。分量は、板粕100gに対して、100mlから150mlです。
板粕の硬さやペーストをどれくらいの固さにしたいかによって、水の量が変わるので、それは目で見ながらやってみてください。
したがって、まずは水100mlに100gの酒粕を30分浸すのがベストです。
柔らかくなりすぎると、ペーストの固さの調整が効かなくなるので、水は少ない量から始めるのが基本です。
板粕を30分も浸せば、さっきと違ってふにゃふにゃになっています。
そしたら、木ヘラですりつぶすようにしながら、板粕を伸ばします。
木ヘラがない場合には、ゴムヘラでもOKです。
数回続けていくと、段々とペースト状になります。
しっかり練り上げていき、ペーストが固いなと思ったら、少しずつ水を加えます。
自分の希望の硬さまで伸ばせたら完成です。
もし、30分浸しても板粕がふにゃふにゃにならない場合には、少しだけ温めるのが有効です。
板粕はぬるま湯に浸すと、よりふにゃふにゃになりやすくなります。
電子レンジで温めて、ヘラで伸ばしてみましょう。ただし、温めすぎると逆に固くなるので、電子レンジで温めるのは水がぬるくなるくらいまでです。
また、ヘラで伸ばすのは面倒だし時間がかかって嫌だという場合には、ミキサーやフードプロセッサーを使うのも有効です。
さらに、すり鉢を使えば、ヤマイモのように綺麗に練り上げられます。
絶対にダマにならないように伸ばしたい場合には、すり鉢を使うのがおすすめです。
ただし、1人ですり鉢を使う場合には、ぬれタオルをすり鉢の下に敷くなどして、すべらないように注意してください。
そして、練り粕の場合、そのまま使っても問題ありません。
しかし、加熱をしない料理に入れる場合には、一抹の不安があります。なぜなら、練り粕は板粕よりも多くのアルコール分が含まれているからです。
そのため、練り粕をそのまま食べただけでも、酒酔いを起こす方もいます。
したがって、誰でも安全に食べられるようにするためには、ひと工夫が必要です。
それは、「加熱」をすることです。
アルコールは加熱することによって飛び、アルコールが飛べば、子どもでも安心して口にできるものにできます。
練り粕の加熱の仕方は簡単です。鍋に練り粕を入れて、ヘラで伸ばしながら加熱するだけです。
アルコールをしっかりと飛ばすために煮立たせつつ、焦げ付かないようにヘラで混ぜましょう。
もし、ペーストが固くなった場合には、少量の水を加えながら混ぜてください。アルコールが飛べば完成です。
もし、加熱する料理に練り粕を入れる場合には、この工程はしなくても大丈夫です。
それは、調理中の加熱でアルコール分が飛ぶからです。
また、板粕でつくったペーストにも、練り粕ほどではないものの、アルコールが含まれているので、練り粕と同じ要領でアルコールを飛ばせば、ノンアルコールのペーストができます。
最後に 酒粕は板状のものがオススメ
板粕なのか練り粕なのかによって、伸ばし方が異なります。
すぐに料理に使いやすく、伸ばすのに時間と手間がかからないのは、練り粕です。すでに練ってあるので、伸ばさなくても使えることもあります。
しかし、栄養価が高いことに着目して使いたい場合には、板の酒粕がおすすめです。なぜなら、酒粕に含まれているレジスタントプロテインが多く含まれているのは、板の酒粕の方だからです。
また、アルコールに弱い方や子どもに食べさせる場合にも、板の酒粕の方が安心です。
練り粕の多くは、大吟醸や吟醸酒の搾りかすであることが多いです。そのため、アルコール度数が高く、しっかりと過熱をしないと、アルコールが飛びきりません。
アルコールが飛びきっていない状態で練り粕を口にすると、酒酔いする方もいますし、子どもだと具合の悪くなる場合もあります。
板粕であれば、念の程度に加熱をすればアルコールは飛ぶので、安心です。ただし、板の酒粕であっても、アルコール度数の強いお酒でつくられている場合もあります。
したがって、アルコール度数に気を付けたい場合には、板の酒粕であっても何のお酒の搾りかすであるのか、しっかりとチェックして購入しましょう。
酒粕の伸ばし方さ覚えておけば、様々な料理のアレンジに有効です。
少しだけコクを出したい場合に、隠し味として入れれば、より深いうまみのある料理へとしあがります。
また、塩麹付の料理と同じように、魚や肉を酒粕ペーストに漬けてから焼いても美味しいです。
したがって、これまで扱いづらいと敬遠してきた方でも、一度は挑戦してみてはいかがでしょうか。
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