甘酒の原料となる酒粕は、テレビ番組などでしばしば取り上げられています。
また、酒粕は体にいいとして、特集の組まれることも増えてきています。
酒粕にはさまざまな効果が期待されていますが、特に便秘解消効果については、女性を中心に注目を集めています。
酒粕で便秘が解消できる理由とは?
酒粕には便秘解消効果があると期待されていますが、酒粕と便秘解消の関係について、とあるテレビ番組で取り上げていました。
その番組では被験者に1日当たり50gの酒粕を、甘酒にして3週間取り続けてもらいました。
その後、お通じの状態に変化があるか検証しました。その結果、被験者全員が便通の改善を実感したとのことです。
ではなぜ、酒粕を摂取すると便秘が良くなるのでしょうか?
酒粕の中にはいろいろな栄養分が含まれています。
その中の一つに、レジスタントプロテインというタンパク質の一種が含まれていて、便秘解消に大きく関係していると考えられています。
まず、レジスタントプロテインには、腸内の善玉菌を増やす働きがあるといわれています。
腸内には善玉菌と悪玉菌が生息していて、両者のバランスによって腸内環境は良くも悪くもなります。
善玉菌が多くなれば腸内環境はよくなりますが、悪玉菌が増えてしまうと腸内環境は悪化してしまいます。
ですから、腸内環境をよくするためには、善玉菌を増やす必要があります。レジスタントプロテインを摂取することで善玉菌が増え、腸内環境が良くなります。
すると腸の働きが活発になって、便を外に押し出す力が回復するのです。
また、酒粕の中には100g中5.2gの食物繊維が含まれています。
白米の中にも食物繊維が含まれているのですが、その10倍の量で、しかもその食物繊維は不溶性です。
水に溶けない不溶性の食物繊維を体内に入れると、消化管の中の水分を吸収します。その結果、腸内で膨張して腸壁を刺激します。
すると、腸が便を外に押し出す運動の蠕動運動が活発になって、スムーズに宿便を排出できるようになります。
食物繊維には、不溶性のほかに水に溶ける水溶性もあります。実は水溶性の食物繊維を有しているのが、酒粕に含まれているレジスタントプロテインです。
水溶性の食物繊維も便秘解消に深く関係していて、食品に含まれる水分を抱き込む性質を持っています。
その結果、ゲル状に変化して、体内に含まれている不要物を体外に排出するのを促進してくれます。
不溶性食物繊維とレジスタントプロテインがダブルで働くので、酒粕はより強力な便秘解消作用が期待できるわけです。
加えて酒粕には、100種類以上の酵素が含まれています。
酵素は消化器官の働きをサポートする働きがあります。
酒粕は酵素がたくさん含まれていることで、結果的に消化スピードを速め、スムーズな便通に一役買ってくれています。
便秘解消のための酒粕ドリンク
このように酒粕を毎日摂取し続けることで、便秘解消効果がより期待できます。酒粕の有名な料理として甘酒があります。スーパーなどを見てみると、甘酒もいろいろと販売されています。溶かして飲むものもあれば、すでにドリンク状になってすぐに飲める製品もあります。
手軽に摂取できますが、毎日甘酒を飲み続けるのは大変ですし、味に飽きてしまうかもしれません。
しかし、ちょっとした工夫で、酒粕が飲みやすくなる「酒粕ドリンク」があります。便秘解消対策をするために、以下のドリンクも有効活用してみましょう。
まずは「ホット豆乳甘酒」です。
甘酒と同じだけの豆乳で割って、温めて飲む方法です。
甘酒はそれほど癖のない味わいですが、中には酒粕に含まれるアルコールのほのかな香りが苦手という人もいるかもしれません。
その場合、豆乳のまろやかな味わいがアルコールの刺激を包み込んでくれるので飲みやすいでしょう。
また、豆乳には食物繊維とビタミンが豊富に含まれているので、酒粕の栄養分と相乗効果が期待できます。
豆乳には調整豆乳と無調整豆乳がありますが、前者の方が飲みやすいですが砂糖の入っているのがネックです。
よりヘルシーな酒粕ドリンクを求めるのであれば、豆乳がそのまま入った無調整のほうがおすすめです。
豆乳と混ぜることで酒粕の風味は大分なくなります。
しかし、それでも風味が気になるという人もいるかもしれません。
その場合には、さらにバナナとレモン汁を加えてみると良いです。
酒粕と豆乳を混ぜ合わせたものに、バナナとレモン汁半分ずつをミキサーなどに入れてシェイクします。
こうするとジュースのような感じになって、飲みやすくなります。
5分程度火にかければ、酒粕に含まれるアルコールも飛ばせますので、まったくお酒の飲めない人でも摂取できます。
冬場の厳しい寒さの時に、体を芯から温めたいと思うことはありませんか? その場合におすすめの酒粕ドリンクとして、甘酒の中にすりおろしたショウガとはちみつを入れて飲むドリンクがあります。
ショウガは実際にすりおろすのが理想ですが、チューブのものでも問題はありません。
そこにはちみつを加えて温めます。ショウガが体を芯からポカポカさせてくれます。
またはちみつの風味によって、酒粕の癖のある感じを打ち消してくれるでしょう。
砂糖ではなく、はちみつを使っているところがミソで、よりヘルシーなドリンクになります。
夜眠る前にこちらの甘酒を飲むことで、気分が落ち着き、より深い眠りに就けるでしょう。
酒粕で便秘のお腹をすっきり
便秘で悩んでいる女性は多いですが、便秘だけのために病院に行って治療を受ける人は少ないです。
ただし、便秘を放置していると、体に不要なものがどんどん体の中にたまっていって、体の不調を引き起こしかねません。
酒粕の場合、便秘薬のような副作用のリスクはまずありません。手軽に毎日続けられますし、便秘解消すればお腹もすっきり気持ちいいでしょう。
肌の調子も整いますので、いくつものメリットが期待できます。
便秘に長く悩まされているのであれば、酒粕を毎日摂取する習慣をつけてみませんか?
コメントを残す